有機系の排水処理は生き物が行ないます。
生き物が行うので、様々な環境要因によっていろいろな現象が発生します。
右の写真のように真っ白な石鹸状の泡が発生することがあります。
この泡はそれまでより突然に高負荷になった場合に発生する特徴的な泡です。
汚泥計量器ですが曝気槽での負荷を保ったまま沈殿槽に汚泥が流入したため返送汚泥が泡立ってしまったのです。
右の画像も高負荷時のトラブル。
その時点の負荷を大きく超えて流入する負荷に生き物たちはついて行けません。
結果、未処理のまま有機物が残り上澄水を着色させてしまいます。当然、このまま放流させると付近の水域を汚染させることになってしまいます。
トラブルが起こるのは高負荷時だけではありません。
透明度が無く、よく見ると細かな粒子が浮上しているのがわかる状態です。
このような時、ろ紙(5C)にこの上澄水を通し、上澄水の透明度が増した場合、原因はSSです。
この場合のSSの発生原因は、低負荷による「フロックの解体」がその原因です。
また、低負荷時には曝気槽に下画像のような泡が発生することがあります。
低負荷とは、曝気槽内に生息している微生物量に対して入ってくるエサ量(BOD量)が少ない状態です。つまり、すべてのバクテリアにエサが行き渡らない状態です。
エサが摂取できないバクテリアは死んでしまいます。
バクテリアの細胞は、タンパク質や多糖類で出来ていますから常に曝気され強力に撹拌が行われている生物処理槽では、溶質したバクテリア由来の細胞質がメレンゲの如く泡となってしまうのです。
排水処理の生物処理は生き物が行う処理ですから、その時々の生物処理槽の環境状態(水温やPH)と微生物量、そしてエサの量(BOD量)などによって様々な現象が生物処理槽や沈殿槽に表れるのです。これが異常現象が発生する理由です。
排水処理にお困りの際には是非ご相談ください。
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