2022年2月8日火曜日

曝気槽 酸欠 ラセン菌の出現

 高い薬剤を毎月数十万単位で使用していた、とある鶏肉加工工場。

根本的な解決法が無いものかと検討を重ね、いろんな業者を経由して弊社に相談があり現地で調査を実施しました。
現場で検鏡を行ってみると、非常に多くのラセン菌が出現していました。また、負荷の高い時に出現するⅠ群、Ⅱ群生物も多量に確認され酸欠が処理の不調と糸状性細菌を多く存在させる原因であることがわかりました。
最後に、二槽ある曝気槽の複数個所で活性汚泥の呼吸測定(測定の詳細は後日紹介)を実施し、結果をグラフ化しました。
このグラフの値は通過する負荷、つまりBODを表していますが、本来なら右下がりのグラフが描がかれるはずが歪なグラフが出来上がりました。
管理手法、設備上の問題がありそうです。



後日談、、、
私の経験上この現場のような鶏肉、食肉加工系の排水処理現場ではpH低下が起きますからpHが管理上の重要項目となっていて、DO測定が実施されているところが少ないという事実があります。測定しないのでDO計は所有していません。
この現場には排水処理設備を設計した業者が管理アドバイスに定期で入っていましたが、pH値管理を優先するあまり送風量を常に控えるようアドバイスをしていたようです。(酸化を抑制する目的と思われます。)また、驚いたことに返送汚泥配管が撤去されていてその理由を担当者に尋ねたところ「出入りの業者のアドバイスに従った。」との返答でした。俄かには信じ難い話でしたが処理不調の原因はすべて人為的なものだったのでした。これでは上手く処理が出来るはずありません。
私は上のような状況と事実をまとめ調査報告書を提出し、改善案を示しました。その後、返送汚泥管は再敷設されDOの管理が始まって、担当者も新たに排水処理経験者を採用され適切に維持管理が行われるようになりました。当然、使用していた高額の製剤も未使用となっています。



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